平盛勝彦の著書
あるドクターの本音と本当。
どの医者も書かなかったホントの話です。
推薦のことば
聖路加国際病院理事長 日野原重明 先生
この度、岩手医科大学第二内科教授を退職された平盛勝彦先生がこの 『白衣を脱いだら みな奇人』 という奇抜な題の本を書かれました。
白衣を着て聴診器を手にもっている像を見ると、一般の人にはすぐ医者だと分かります。普通の人間である医師が白衣を着ると急に威厳がつき、その人には物が言いにくくなります。白衣を脱ぐと俗人だったりもするのですが、一般の人々は本当のあるべき、本音を言っている医師には出会いにくいのです。
平盛先生は25年間、白衣を着ずにあるがままの心と姿で患者さんに接し、若い医師や学生にも接してこられました。先生こそは本音で本当のことを話してこられた方です。
この本は病気を持つ患者さん、そして一般の人---結局読者の誰もが病気をもつのですが---、医の道を歩む医療者---医師・看護師・介護士、その他年配の人にも、若い人にも、医の真実を語る書として広く読まれることを希望します。
著者略歴
1939年広島県生まれ。1964年京都大学医学部卒業。京都大学医学部内科、東京女子医科大学循環器内科、国立循環器病センター内科心臓部門を経て、1990年より岩手医科大学第二内科教授。2005年3月定年退職。現在モリーオ株式会社 代表取締役。
白衣を脱いだらみな奇人 目次
第1章 変な用語が医学をダメにする
- 日本人は日本語で考える
- 日本語で学べる事の凄さ
- 臨床医学は実は文系?
- 教養と見識が問われる英会話
- 珍病「ニオケルーシス病」の大流行
- 栄養士と看護師のここだけ話
第2章 ないよりましな診療ガイドライン
- 日本語版ガイドラインには科学的根拠がない?
- 人種によって薬効はケタ違い
- ガイドラインとGuidelineは別物
- 難産だった日本初の大規模臨床試験
- アイオナ島と岩手とスコッチ
第3章 子供のような医者が横行する国
- 冠動脈カテーテル治療の効用と副作用
- カテーテル治療のミステリー
- 診療行為の質を測れるか
- 子供たちが医者をする?
- 医学と医療は患者さんのためにのみある
- 大丈夫かな「二十一世紀の救急医療体制」指針
- チーム医療には大人の交わりが必要
第4章 健康は空き腹と肉体労働から
- ゴッホと大泥棒
- なぜ、健康でありたいのでしょうか
- 感受性が閉じていてはダメ
- 「生活習慣関連病」をどう克服するか
- 「健康日本21」は空き腹と肉体労働から
- 薬よりも食事療法と運動療法
第5章 医師を育てる
- 学生が教授を育てた
- 感化できない教育は教育ではない
- 型どおりにはできなかった授業
- 子供と大人の違い
- ひたむきにアフリカを目指す医者
- 内科学教室医局の「放し飼い」
第6章 温泉なら岩手へいこう、いつどこで倒れても誰かが助けてくれるから
- 岩手は東京や大阪とは違っていた
- 外圧で火がついた?
- 一家にひとり、心肺蘇生法を習おう
- 次の一手は自動式除細動器だった
- 盛岡さんさ踊りの会場に自動式除細動器を設置
- 心臓を守る十項目の心がけ
- ホルター心電計をつけてセックスしてみた
- 循環器医療センターの設立とその後
第7章 糖尿病と心臓病と「専門性の壁」
- メジャーになった糖尿病からの心臓病
- 分野の違う専門医同士だと連携が進まない
- 糖尿病とその予備軍1,600万人の心臓が危ない
- 「専門性の壁」が心臓病をつくる
- 日本をダメにしている「専門バカの壁」
- 糖尿病からの腎臓病と心臓病
- 効率的な心臓血管健診システムが必要
第8章 ベンチャー企業の代表になった
- 日本人は八歳であったという
- 女子短期大学の先生になりたい
- 仕事の足場を院外に移した
- ベンチャー企業「モリーオ社」の起業
- 六十歳の新人
- いいものをどう選ぶか
- いいものが「ひとつ」できた